震える心へ

―自分が自分であり続けるために―より良く、より自分らしく生きるためのヒントになる話を考え付く限りの角度から話していきます。

楽そうな仕事代表・施設警備員の真相

こんばんは、YUKISHIBAです。

今回は私が実際経験した仕事の裏側をお話しします。


仕事を探してる時、楽そうな仕事の求人を見つけるとつい目が行ってしまいますよね。

皆は楽な仕事と言えば何が思い浮かびますか?


色々な答えがあると思いますが、
中でも特に楽そうな仕事として代表的なものの一つが今回お話しする施設警備員です。

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「楽でそこそこ稼げる」「ニート脱出」
「逆に辞められなくなる」
などの評判を私も見たことがあります。

どうやら楽な仕事は無いかと探し回った果てにこの仕事に行き着く人が少なくないようです。

皆が利用する店や仕事先のオフィスなどでたまに見かける、警察に似た格好をした人たちですが、
皆はどんなイメージがありますか?

1いつも暇そう
2仕事中に寝たり本読んだりできる
3モニターをずっと見てる
4誰でもできる
5楽ちん
6体が楽
7だけど適度に体も動かせて運動になる
8一人で気ままにできる

さぁ、どのくらい当てはまりましたか?
(ちなみに経験前の私は全部当てはまりました。)



しかし一経験者の私から言わせてもらいます。
楽するために施設警備員になろうという人は
考え直して下さい。

もし楽そうだからという理由で施設警備員になろうとしているなら、
私の話を聞いてからもう一度考えて下さい。


施設警備員はどんな仕事?

仕事の概要に関しては既に多くの方がブログ等にまとめてくれているのでおさらい程度にします。

施設警備員とは
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警備業法に基づく警備員の一種で、ビルや学校などの施設を警備する警備員。

警備員は大きく分けて
施設、交通(雑踏)、現金輸送、身辺警護に分けられますが、
施設警備員はその中でも最もポピュラーで
最も楽だと言われています。

逆にそれ以外の警備員は寒さや熱さ、襲われるリスクなどからハードな仕事というイメージが強くなっています。

楽なイメージはこうやって付いた

「警備員は楽」のような話はそもそも一体どこから出てきたのでしょうか。

①ネット上での評判
ネットで少し調べてみると分かりますが、冒頭で紹介したような
「施設警備員めちゃくちゃ楽ww暇www」という話が多数ヒットします。

冒頭の1~8に挙げたものはネット上で見たものの中からピックアップしています。


②高齢者が多い
あまり若い警備員って見かける機会が少ないのではないでしょうか。
その代わりにビル内で見かける警備員と言えばある程度年齢の高い人が殆どですよね。

高齢者が多い⇒体力や記憶力が衰えてても出来る⇒楽
もしくは
高齢者が多い⇒辞めない(離職率が低い)⇒条件が良い⇒楽
と言ったところでしょう。

③忙しそうにしているイメージが無い
少なくともビルの警備員が忙しそうに施設内をぐるぐる駆け巡っている様子を見ることはまずないですよね。
一般の人が警備員を見かける時といえば、
施設内をゆったり歩いているか、入り口で立っているか、
せいぜい従業員なら受付で鍵の受け渡しをしているぐらいでしょう。

こうしたことから忙しいイメージは持たれにくい特徴があります。

なって初めてわかった施設警備員の仕事

その仕事が楽かどうかは結局それをやってみないと分からないものです。
楽さ(イメージ)につられて実際に施設警備員になってみて初めて分かったその真相をお話しします。

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メリット編

①時間がしっかり管理されている
警備員は複数人で巡回や受付・休憩をローテーションしながら業務をまわしているので、
基本的に仕事や休憩のサイクルは時間でしっかり区切られています。
特別なことが無ければこれが崩れることは無いので休憩はしっかり取れるし、帰りがずるずる遅れるといったこともありません。

②仕事内容自体は簡単
テナントビルの場合は鍵の数がとにかく多く面食らうこともありますが、
実際にやることの内容自体はごく単純な事ばかりです。

最初だけ覚えるのに頭を使いますが、一度覚えてしまえば特に頭を使わずに仕事出来ます。


デメリット編

①体内時計が壊れる

警備員は交代交代で休憩・仮眠をするため、ローテーションによっては変な時間に寝なければならないことがあります。
私の場合は22:30~3:30の5時間でした。

しかしこれによるダメージが強烈でした。

寝る時間も起きる時間も早すぎるし、睡眠時間も短い。
この影響で慢性的な寝不足に陥りました。
特に朝方は神経が触れないほどに尖りますし、
一日中何となく疲労感があったり、変な時間に強烈な眠気に襲われるようになります。

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一方メリットとして挙げた通り時間管理がしっかりされています。
各隊員の業務が歯車のようにかみ合っているため、仕事や休憩の時間的な区切りは基本動かしようがありません。
無理に延長すると他の隊員の業務に影響が出ます。

ですので、22:30~3:30とローテーションで決められたら
どんなに自分の生活リズムとかけ離れていてもその時間内で仮眠するしかないのです。

結論、警備員(特に夜勤や当直勤務)は体調を壊しやすいです。


②太りやすい
警備員は一日に数回、施設全体を丁寧に巡回します。
その時間はおおよそ50分、大きい場所であれば2時間という施設もあります。
私がいた現場では50分でしたが、
つまり50分ぶっ通しで歩く時間が一回の勤務で数回あるのです。
勿論その間にはアップダウンもあります。

そうするとどうなるか。

お腹が減るのです。

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どうやら最近の研究によれば、ゆるい有酸素運動を長時間行うと食欲が増進されるのだそうです。
やせようと思ってジョギングやウォーキングをすると気分がすっきりする代わりに食が進むのです。

巡回は言ってみればゆるい有酸素運動を長時間やるようなものなので、
これを習慣的にやっていると自然と食べる量も増えるわけです。


③普通に忙しい時は忙しい
一般人から見てわからないだけで、忙しい時は忙しいです。
テナントビルなら朝や夕方は受付が混みやすくなるし、
駐車場管理なら聞こえづらいインターホン越しにドライバーとやり取りしつつ、
空き状況や後続車両の待ち具合も気にしながら素早く裁かないといけません。

受付業務での対応は特に色んなケースがあって覚えきれません。

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他の仕事に比べて取り立てて暇ということはないですね。

忙しさは現場によって当たり外れが激しいのですが、
現場の希望を聞いていられるほど人的余裕のある会社はそうないのではないでしょうか。

私が入社した某警備会社の話

私が最初配属された現場(求人情報を見て応募した現場)ではテナントビルでした。
9時から翌朝9時までの当直勤務で、
22:30~3:30の仮眠時間の他に1時間の休憩が3回ありました。

寝る時間が寝る時間なのでやはり体は壊し気味だったのですが、
仕事は基本的に毎勤務ほとんど同じで難しいこともなかったですし、
ここだけの話仕事中に内職などもやろうと思えば出来ました。
この時点では睡眠を除けばおおむね見込み通りな仕事だという感触です。

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しかし、入社からわずか1か月そこそこで異動させられてしまいました。

移動先の現場は体育施設。
試合やコンサートなど様々なイベントが行われるため仕事の変更が非常に多く、
また駐車場に来る車もその種類や空き状況を考えながらスムーズにさばいていかなければならないため、
内職どころの話ではなく、ずっと集中している必要があります。

前の現場と同じく9時から9時までの当直がメインですが、0時半~5時半なので時間帯はまだまともな方です。
しかしここでは交代交代ではなく一斉に仮眠するため、
施設内に外部の人がいる間は仮眠の時間であっても仮眠出来ません。

特にコンサートの期間は夜通し業者が作業しているため、
こんな日にはまさに24時間ぶっ通しの勤務となることもしばしばです。
そしてこうした状況になることは決して稀ではないのです。

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そもそも入社1か月で求人にあった現場よりずっと忙しい現場に移動するって
コンプライアンスの観点からかなり黒に近いグレーです。
楽そうな現場で釣っておいて、釣った新人には本来配属させたかった現場に即移動させる。
これがまかり通れば会社はいくらでも騙せることになるし、求人なんて何の意味も持たなくなりますよね。


異動の知らせを受けた時、「お願いできないか」と言われたので私は断りました。
しかし「会社の意向だから何とか呑んでくれないか」
「1か月目だから逆に異動しやすいんじゃないか」
等と言われ、お願いと言いつつ受けてくれの一点張りでした。

こちらが断り続けていると少しずつ高圧的になり、
こちらが「命令なら従うしかないがお願いなら断る」と言えば
「じゃあそうしても良いんですよ?」と言い、
更に食い下がると
「じゃあ私達はどうすれば良いんですか?」と言う。

いやそれはお前らが考えることだろ。


結局本人の意向を無視して配属したとなると後々不利になりかねないものだから
あくまでも「お願い」を「自主的に引き受けた」という形式的な事実が欲しかったのでしょう。
(その上司への恨み言を言おうと思えばまだまだ言えますが割愛します。)

基本的に体質からして社員を駒のように扱っている印象がある会社ですが、
業界全体でこうした体質はあるようです。

施設警備の裏事情

警備員歴の長い先輩から、色々と他では聞けない裏情報を教えてもらうことが出来ました。
すると施設警備の病巣が少しずつ見えてきました。


①会社見学などは基本出来ない
施設警備員は施設を危険から守る仕事であることから、部外者に仕事のローテーションなどの内部情報を知られてはいけません。
巡回の時間帯や人数などがばれれば、テロリストなどに隙を突かれるリスクがあるからです。
そのため、会社によっては可能な会社見学が警備会社の場合はまず出来ません。
また同じ理由で求人情報に仕事中のスケジュールを書くことも出来ません。

つまり事前に知ることの出来る情報が圧倒的に少ないのです。

前情報の少なさはミスマッチの大きな要因です。


②効率化と正反対
警備会社は主に入札により施設との契約を結びます。
この際に契約金(施設側から警備会社に払われる)が発生しますが、
契約金には配置する警備員の人数が影響します。

そのため施設側としては警備員の数はなるべく少なく抑えたいのです。

しかし反対に警備会社としては一つの現場に警備員を出来るだけ多く配置したいので、
何とか多めの人数配置で施設側に納得してもらおうとします。


どうやったら施設側は納得するか。

その施設での業務が多くて忙しければ納得するのです。
「それだけやることが沢山あるならそのくらい隊員がいてもいいか」と言った具合に。

だから警備会社は何をするか。
余計な業務を増やすのです。

現に前の現場では、人数を増やすためにわざと増やされた書類整理などの雑務も少なくありませんでした。

効率化をすすめる時代に在りながら効率化とは真逆のことをする。
まさに時代の逆行です。
しかし施設警備の世界ではこうしなければ儲けが上がらないという性質があるのです。
収益が配置人数に比例するのですから。


これから需要が増すとか、これからも生き残る職業だとか言われていますが、
非効率化しなければ儲けられない業界が果たしてこれから何年生きられるのでしょうか...?

施設警備員でやっていける人の条件

最後に私が実際に仕事をしてみた感触を元に、
施設警備員でもやって行ける人の条件をまとめます。

施設警備員にも長く勤めている人は大勢いますし、
反対に数か月で辞めていく人も大勢います。

施設警備員として長くやっていく適性とは一体何でしょうか。

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①これといってやりたいことが無い人
はっきり言って何か夢があって、その為に別な仕事をしようと言うのなら施設警備員はおすすめしません。
特に歌手やバンドなど気力・体力・自己コントロール力などが高水準で求められる内容なら尚更です。
お話しした通り睡眠時間もおかしいし、巡回など有効な運動のうちに入りません。
決して一般人がイメージするほど健康的な仕事ではありません。

新しいことに挑戦したり何かを目指すのには強い意志力が必要になりますが、
施設警備のこうした環境はこうした面で大きな障害になるでしょう。

②体が丈夫な人
警備員であれば体の丈夫さは必須条件です。
特にちゃんと寝れない生活が続いたり、夜中にずっと起きていたりしても平気でいられるほどのタフさが無いと
心身を壊すことになります。

また警備員はとてもお腹がすく仕事です。
欲望の赴くままに食べると太ります。
そういった欲望をきっちりマネジメント出来る人でなければやはり体を壊すことになります。

最後に

私が施設警備員になって特に大きかった発見は、
人間はちゃんと寝ないと本当におかしくなるということです。

私は元々夜型の生活でしたし、寝る時間は勿体ないという考えだったので
睡眠時間は日常生活の中で一番後回しになる事項でした。
そのため警備員のように満足には眠れない仕事でも全く心配していなかったのです。

しかし徹夜に近いことや、変な時間帯に寝て起きる生活を繰り返すことで
こんなに健康に悪影響が出るということは当初は全く想定外でした。

それから睡眠サイクルが狂うことで出る精神的な健康被害にも驚きました。
ホルモンバランスがおかしくなるのか、神経が尖りに尖って、
一日中何となく体が重かったり、
通常ならまず気にならないようなことで猛烈に腹が立ったり、
まるで自分じゃなくなったかのような感覚でした。

しかも拘束時間が長いため、家にいる時間で寝るのが尚更もったいなく感じるので
余計睡眠が足りなくなり、状態が悪化しました。


今回の経験から言えるのは、
これから仕事を選ぶなら、ちゃんと寝れる仕事を選ぶことをおすすめするということです。

警備の仕事もまぁ家帰ってから寝ればいいだけの話ですが、
長時間ずっと仕事をしていると家で寝て過ごすのは勿体なく感じやすいものです。
また日中はやりたいことをやって過ごしたいのでなるべく寝たくないという人にはやはりおすすめしません。




ここまでお話にお付き合いいただき有難うございました。

今回は施設警備の仕事に対して実際に体験したことをお話ししました。
結論を言うと間違いなく失敗ですね。
私はまさにプライベートはとにかく忙しく過ごしたい人なので、
プライベートの時間を健康的に過ごせない仕事はやはり合いませんでした。

しかしこれもやってみるまでは全く予想が出来なかったことですから、
何事も経験と思ってやってみることに価値がありますね。


さて施設警備員がおすすめ出来ないのなら、
じゃあどんな仕事がおすすめなの?
どんな風に仕事を探せばいいの?
という疑問が出てくると思います。

これに関してもいずれお話ししたいと思います。


それではまた。


YUKISHIBA