震える心へ

―自分が自分であり続けるために―より良く、より自分らしく生きるためのヒントになる話を考え付く限りの角度から話していきます。

ブラック企業を辞められない人の心理的な理由

こんばんは、YUKISHIBAです。
皆さんいつもお仕事お疲れさまです。

きっと仕事は忙しくてずるずる時間が延びてしまい、
へっとへとで家に帰ってまた明日朝早くから出社という方が現代では少なくないのではないでしょうか。

私もその一人です。
早く辞めたいですがまだそのための準備が整っていません。

そんな中今回は、仕事を辞めたいのに辞められない人の秘密に
心理的な観点から迫っていきたいと思います。

「辞めたいのに辞めない」の裏にある恐ろしい事実

さて私はもう辞める気満々でルンルンしながらその準備もしているわけですが、
私の職場にはある不思議な人がいました。


その人は体も壊し気味でいつも会社への愚痴をこぼし、休憩中には求人雑誌を眺めている。
毎日辞めたいと思っている程会社には不満しかない。
しかも経済的に余裕があり、辞めてもそう困ることはない。
それだけ辞めるに足る理由が揃っているのに転職しようとはしないのです。

皆の職場にもいませんか?
辞めたくてしょうがないのに辞めようとしない人。

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ブラック企業(と言ったら言い過ぎになるか)にいれば辞めたいと思うこと自体は当たり前のことでしょうが、
私の職場にいるその人は、単に辞めたいと思うという次元をはるかに超えていました。
これほど辞めたくてしょうがなければ流石に何か行動を取ってもおかしくないのではないでしょうか。

しかしその人を見る限り行動を起こす気配はありません。


そんな事態を不思議に思った私はその理由について考察しました。
すると考察しているうちにある恐ろしい答えに辿り着きました。

それが正しければ、現代においてブラック企業がこれだけ問題視されて尚何故生き続けるのか、
その理由が明らかになったことになります。

今回はその恐ろしい可能性についてお話しします。

自分の勤める会社がブラックだったり、私が例に出したような人が身の回りにいるのであれば、
是非お付き合いください。

あなたがそんな未来を辿らないために。

辞めたいはずなのに辞めない理由

恐らくブラック企業には大きく二つに分けることが出来て、
社員が辞めるのを気にしないタイプと、
社員を辞めさせないタイプに分類することが出来ます。

ブラック企業が生き続けるそもそもの理由は唯一つ、社員がいるからです。
前者のようなタイプの会社には社員が次々入れ替わりで入ってくるし、
後者のようなタイプの会社ではやはり社員が辞めないのです。


前者はごく自然な結果で典型的なので、事前にある程度判別することが出来るのが特徴です。
そして私が特に問題視していて、今回中心的に取り上げるのは後者のタイプです。

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すこし考えて見てください。
何故辞めて当然と言っても差し支えないような状況にあるのに辞めないという状況が生まれるのでしょうか。

ブラック企業は社員(奴隷・駒と思っている)を繋ぎとめるために色々な手を使ってくるでしょう。
しかしここでの答えはそんな複雑なものではありません。
寧ろ会社の策略などここでの答えに比べればさほど重要ではありません。


それは表面的な行動だけ見ていると気付かない根本的なもので、

人間にとって最も強力な負の力で、

どの会社であれブラック企業にいる限り必ず降りかかってくるものです。



もうわかりましたよね。


そう、答えは「ストレス」です。

“メンタルが強い=ストレスに耐える“の罠

精神的ストレスが人間に与える負の影響は一般的に認識されているより遥かに巨大です。
ここからはその精神的ストレスの真の恐ろしさをお話しします。

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①認知機能の低下
人間の脳は前頭前野という部位は、高度な理性を司り、意志力の源になっています。
これのおかげで私達は自制心を働かせたり、深く考えたり、新しいことに挑戦しようと行動できるのです。

しかし残念なことにこの前頭前野はストレスがかかると真っ先に機能を停止してしまいます。
(※前頭前野は後になってから発達した部位で、生命維持にとっては重要ではないため、
緊急時にはエネルギー供給が真っ先に断たれるようになっています)


そしてその代わりにネガティブ思考の源になる偏桃体が活性化します。
偏桃体は不安を煽ったり攻撃性を高めたりする働きがあり、
これが活性化することによって古い習慣に逆戻りしてしまいます。

つまり慢性的にストレスにさらされ続けていると偏桃体ばかりが活性化し、自制心を働かせるのが困難になってしまうのです。
こんな習慣が長く続いていくうちに偏桃体が発達し、ネガティブ思考から抜け出せなくなっていくのです。


②意志力が消耗する
①で触れた前頭前野で作られる意志力ですが、一日で作れる意志力には限りがあり、意思決定をするたびに消耗してしまいます。
これは意思決定そのものの重大さは関係なく、細かな意思決定でも意志力は消費されていきます。


精神的なストレスに対処する時には膨大な量の意思決定がなされます。
上司から嫌味を言われた不快感を処理する、
この会社に居続けることの不安を押し込める場所を探す、
明日も会社に行くという憂鬱な気持ちを処理する…

こうした意思決定をしているうちに意志力を大量に消費します。
全ての処理が終わる頃には新しいことを始めるほどの余裕など残っていないのです。


(※意志力は使い方次第では有限ではないという説も最近出ていますが、
どのみち絶大な心的負担が障害になるのは間違いないでしょう)


③体への疲労
精神的ストレスは身体的なパフォーマンスにも悪影響を及ぼすことがわかっています。
というのもストレスにさらされていると体の疲労感が増すということが研究で明らかになっているのです。

気分が重いと体が重いというのは心当たりがあるという方も多いのではないでしょうか。
辛い仕事をするために通勤する時は階段を上るのもまるで何十キロもの重りを背負っているように感じますよね。

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研究によると精神的ストレスによって感じる体の疲労感は、ジャンプで行う踏み台昇降100回分に匹敵するのだそうです。
こう言われてもピンと来ないかもしれませんが、相当な運動量です。


新しいことをする、習慣を変える、転職する、
こういった身の回りが大きく変わるような行動をするには相当な意志力が必要です。
果たしてこんな疲労感を抱えながらそんなことが出来るでしょうか?



ストレスにさらされることでどんな影響が出るのか大きく3つ紹介しました。
これからわかることは、
ストレスを受ければ受ける程その場から離れられなくなるということです。

ストレスを受け続けることでそこから逃げたいという気持ちは強くなっていきます。
しかし気持ちとは裏腹に、思考や体はそこに留まろうとするのです。


何故か。ストレスに対処することで手いっぱいになり、そこから逃げる気力すらなくなるのです。


今いる場所(ブラック企業)から逃げるためにはそれ相応の行動や思考が求められます。
どうやって切り出すか、
辞めたら次は何処へ行くのか、それをどうやって探すか、
そもそも行ける場所、続けられる場所はあるのか、
家族は何て言うだろうか、
どうやって生活していくか…


とにかく考えることは膨大です。
毎日のようにストレスの処理で意志力を使い果たしているようでは到底追いつきません。



しかしそんな状態になってもその場から逃げられる方法が一つだけあります。

それは自殺です。


日本人の自殺率の高さの背景には、こういう事実があるのかも知れませんね。

ストレスの鎖から逃れるには

メンタルが強い人=ストレスに強い人というのが多くの人の認識するところですが、
これには少々語弊があります。
ストレスは何でもかんでも耐えればいいというものではないからです。


中には耐えようとすればするほどずるずるとストレスの沼に引きずり込まれてしまう場合もあるということはここまででお話してきました。


しかし一方で自分自身の成長の養分になるストレスがあることも、
これによってのみ得られる能力があることも事実です。


だから自分にとって栄養になるストレスと毒になるストレスの違いをしっかり判っておく必要があるのです。

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栄養になるストレスは、自分の欲しいものを手に入れるためのストレスです。
例えば受験生なら志望校に受かるという目標の為に猛勉強をするでしょう。
その過程には多くのストレスがある筈です。
しかしそのストレスを乗り越えれば自分の目標が叶うことがわかっています。

こういう時はストレスを乗り越えるために徹底的に向き合うことをおすすめします。
その経験は自信になり、財産になります。


反対に毒になるストレスは、慢性的なストレスです。例えば就職に失敗した会社員なら、好きでもない仕事の為に毎日13時間も14時間も休みなく働き、
上司からはいつもプレッシャーをかけられ、寝不足とストレスの発散のためのジャンクな食事や暴飲暴食で体も壊す。

それで何が得られるでしょう。
やりたいことはやれなくなり、身に付けたいスキルも身につかない。
心も体も家庭の平和も損なって得られるのは幾許かの残業手当。

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こういう耐えても自分の望むメリットが得られないストレスは耐える価値がありません。それどころか耐えることでデメリットばかり舞い込んでくる結果になります。

こうなってしまわないためにも耐えるべきストレスと避けるべきストレスはしっかり見極めましょう。



〇参考図書〇

『あなたの脳は変えられる』
ストレスは理性を妨げ、本能に訴えることで悪習を作っていきます。
しかしそのままでは耐えるべきストレスに耐えることも、避けるべきストレスを避けることも出来ません。
そこで重要になってくるのが「自分のことをよく理解する事」です。

例えば自分にとってのストレスは何か、
ストレスを感じた時何故、どんなことを考えたり行ったりするのかなど、
細かい「気付き」の積み重ね(→マインドフルネス)はストレスによる反射的な悪習を根本から断つうえでとても有効です。
これが耐えるべきストレスに耐え、避けるべきストレスを避けるためのは欠かせないのです。

本書ではそのためのヒントになる情報が科学的な視点から書かれています。

あなたの脳は変えられる 「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法

あなたの脳は変えられる 「やめられない! 」の神経ループから抜け出す方法




ここまでお付き合い頂き有難うございました。
この考察からわかったことは、
ストレスの多い環境から抜け出せない原因は、ストレスを浴び続けること。
何とも救いが無いというか、難しい問題が見えてきたように思います。
現在進行形で職場からストレスを受け続けている人にはショッキングな答えかもしれません。
その仕事を辞めたい理由と、それを妨げている要素が同じなんですから。


ブラック企業にはストレスが蔓延しています。
そしてそのストレスこそがブラック企業を生き長らえさせているのです。

だとすれば逆に私達がそのことに気付いて、
毒にしかならないストレスを避けられるようになれば
ブラック企業の生命維持器官でいることから解放されうるということですよね。


私は冒頭で例に挙げた「辞めたいはずなのに辞めない人」を見て何とも複雑な気持ちになりました。
本当はやめたくて仕方ないのに得体のしれない何かがそれを妨げているように見えてなりませんでした。

このような何とも言えない悶々としたストレスを抱え続けている人が本来持っている意志力が目を覚ますための助けに少しでもなれれば幸いです。


それではまた。


YUKISHIBA