震える心へ

―自分が自分であり続けるために―より良く、より自分らしく生きるためのヒントになる話を考え付く限りの角度から話していきます。

「先行き不透明」を忌み嫌う現代人

こんばんは、YUKISHIBAです。
今回は現代人によく嫌われる「先行きの不透明さ」についてお話しします。

霧のかかった草原

先行き不透明な状態に対して非常に抵抗を感じたり、それを悪いことだと考える人は多いのではないでしょうか。
近い将来から遠い将来まで、就職後のことから老後のことまで、
色々な面に関して見通しが立っている状態を求め、
それら全てが手に取るようにわかって初めて安心して日々を生きられるという風に感じているのでしょう。


自分のやっていること、自分が生きていることが将来を確約してくれるということ、
つまり先行きの透明な状態を求める傾向は若い世代にも多いように感じます。


というのも現実には若い世代ほど先行きに不安を感じているようです。
何年か前に、二十歳を過ぎたばかりの人がお金の使い道を聞かれて、
老後の生活が心配だから老後の貯蓄に回すと答えているのを聞いて異様に感じたのを覚えています。

年齢的にもやりたいことだらけでしょうに、今使うお金を我慢して老後の出費に備えることを優先しているのですから、
いかに先の見えない将来に対して不安を強く感じているかが窺えます。


そのように先行きの不透明さは私達にとって不安の種でしかないように捉えられがちですが、
今回は敢えてそこに疑問を投げかけていきます。

あなたが普段当たり前のようにそれを悪いものだと思っているとして、
果たして先行き不透明であることは本当に悪いことなのでしょうか。

「先行き透明な」世界って存在するの?

先行き不透明であることが悪いことなら、逆に先行きが透明な、つまり先々のことが確約されていることが理想的だということになります。
しかしながら、そのような世の中は本当に存在するのでしょうか。
もし仮に実現可能だとして、それは本当に良いものなのでしょうか。



先行きが透明であることとは、言い換えれば将来が約束されていることです。これから先社会がどうなっていくか、これから先自分はどういう人生を送っていくか、そういったことが確実さをもってわかっていることです。
例えばこの学校に入ればこのぐらいのレベルの会社に就職することが出来て、この会社に入れば将来これだけの収入を得られて、それだけの収入があればこのぐらいの水準の生活が出来て、老後も十分な資金があるといったこと。
先行き透明さを求めるということは、このように「こうすればこうなる」というような確約を人生・社会に対して求めてることです。


しかしそれでは人生や社会というものを単純にしかとらえられていないと言うほかありません。


ここにいれば安全
ここにいれば将来安泰
この道を進めば幸せになれる。

そういうものを求めたいという気持ちを理解したうえで敢えて断言します。
そんなものは現実には存在しません。

赤信号

世界のどんな分野でも次から次へと激しく移り変わります。
この世界の変化は個々人がコントロールできるものではなく、これから更に早く、激しく変化するとされています。
常識はどんどん塗り替えられていき、20年も前の常識はほぼ通用しないのです。



今23歳でこれから就職するという時にこれからの人生生涯安泰でいたいと思ったら、
向こう60年、長ければ70~80年先まで安泰でいたいということです。


考えて見てください。現在と60年前の社会がどれだけ違うでしょうか。
60年前と言えば、現代社会で多くの人が普段当たり前のように使い、仕事効率化のために欠かせないものはほぼ全て存在しません。
経済状況だって違うし価値観だって違います。
寧ろ違うものが多すぎて驚くほどでしょう。


営業マンが携帯電話すら持たず外回りをするなんて現代からすれば非常識以外何物でもないでしょうが、60年前はそれが常識だったのです。
それどころか、60年前の営業マンには、60年後には外回りすらせずに営業をかけられるようになるなんて予想すらできなかったのではないでしょうか。

スマホの画面から飛び出す滝

60年前の人にとって今の世界は想像もつかない世界だっただろうと想像できます。
だとしたら今を生きる私達にとって60年後は想像もつかない世界になっているだろうと考えるのが自然ではないでしょうか。

だとしたら今「ここに進めば安泰」とされている道は、そこから60年経つ間にただの幻に成り下がることなど何も不思議なことではありません。


こんな世界の中で人生のずっと先のことまで確約を求めるのはあまりに非現実的です。
先行き透明さを求めて行動する人はいかにも自分がリアリストで賢いと思いがちなのがまた皮肉が効いています。

将来を約束されたい人の傾向

将来を約束されるというとこれ以上安心なことはないかのように感じ、それに執着する人もいます。
当人は人生の節目においてこれ以上正しい判断はないかのように感じることでしょう。
自分はその辺の夢見がちな人とは違って、人生設計を堅実に立てられる程賢く、現実を直視できる人間だ、ぐらいに感じているかもしれません。


堅実さをもって生きることが全く持って間違いだとは思いませんが、
彼らのような生き方には弊害もあります。

顔を押さえつけられる女性

ライフプラン以外の面でも彼らの行動にはある程度傾向がみられます。
それは、「わかることしかしない」ことです。


わからないことがある=結果が約束されていない
ということなので、先行きの透明さを求める彼らにとって何かわからないことがあることは大変な不安要素であり、
そのようなことを実行するのは悪手でしかないのです。


ただ慎重な性格なだけでは?と思うかもしれませんが、
彼らとただ慎重な性格の人は似て非なる存在です。
慎重なら慎重なりにわからないことをわかろうとするし、
結果が予測しきれないなら起こりうる結果を考え付く限り予測し、
リスクヘッジしながら慎重に実行出来るからです。


慎重な性格の人もある程度先行き透明な方が望ましいとは思うでしょうが、
不透明なら不透明なりに色々と考えながら行動が出来ます。


しかし先行きの透明さを第一に考えて行動する人はそれが出来ないので、
初めから自分が良く知っている選択肢からしか選べないのです。


その結果人生において新しいものを取り入れる機会が激減するので、
新鮮味が無くなり、変化が無くなります。

また新しい発見もしづらくなるので、
わからない事でもやろうとする人と比べて逃がすチャンスが多くなり、
成長が無くなります。


自己成長が無くなるというのは人生において最も大きなリスクの一つですが、
彼らの多くはそのことにすら気付いていないのでしょう。

先行き不透明なんて当たり前

本音を言うと、先行き不透明なことを不安がっている人を見ると「何をそんな当たり前のことを」と思います。
ここまでお話ししてきた通り、世界はもともと先行きが不透明なものです。
未来を予想することは出来ても結果は誰も約束してくれません。

60年後どころか、数年後の社会ですら予想を大きく裏切ってきます。
極端に言えば明日自分が生きているかどうかでさえ確約はされていないのです。
それが未来というものです。


しかしそういうと先行き透明に執着する人を絶望させようとしているようにしか聞こえません。
先行き不透明=生きづらい、悪い、不安という認識に関して手つかずだからです。

現実世界は先行き不透明なものです。それを前提として、
先行きが不透明だということがどんな意味を持っているかを考えていきます。

先が見通せない=可能性は未知数

軽々しく先々の見通しの立つ道を求めては、自分の人生の満足度を自分で下げる結果になりかねません。
なぜなら将来を約束されているということは自分がどんな人生を歩むか、人生において何を手に入れ、何を成し遂げるか、全てがわかっているということです。

それは裏を返せば、約束されている以上のことは何も訪れないということを表しています。
つまり自分の限界が最初の段階で決まるということです。

その道を歩んでいる限り、例え自分がどんなに頑張っても決められたフィールドまでしか上がれないのです。



一方、先行きが不透明と言うことは自分が将来どうなっているかわからないということです。
これは言い換えれば自分に対して限界が決まっていないということです。

もしこの世界が先行き透明な社会なら、自分は決められたものには確実になることが出来ますが、
それ以外のものにはなれません。
しかし現実世界は近い将来のことすら約束されない不透明な社会です。
だから自分に限界は無いし何者にでもなれる可能性があるのです。

旅に出る男性


ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

将来を悲観するようなニュースがSNSでもテレビでも飛び交っていますから、
将来自分や社会いは一体どうなってしまうのかと不安になるのは多くの人に共通すると思います。
そうなれば将来にわたって安定が約束されていることに理想を見出すのは自然な事といえるでしょう。


しかしこれなら将来安心だと思っても数年経てばあっさりその期待を裏切ってしまうのが現実社会でもあります。


だからこそ私達にとって大切なのは先々のことが読めないという事実に隠された意味を知ることなのだと思います。


未来のことは誰にも何もわかりません。何一つ確かなことなどありません。
それは裏を返せば人の限界を決めつけるものは何もなく、何者にでもなれるということです。
私もあなたも、例外なくです。



それでは、また。


YUKISHIBA